森店
どこかほっとする老舗の大衆食堂
食堂と書かれた紺色ののれんが掛かる「森店」は、伊予市役所前の通りを北約200mのところにあります。店内には、4人掛けのテーブル6卓と座敷が2卓。
入り口横に今では珍しい蝿帳(はいちょう:ハエなどが入らないように、また風通しをよくするため紗や網を張った戸棚)が設けられていたり、カウンターの右上の棚にテレビが置かれてあったりと、昭和の大衆食堂の雰囲気を色濃く残しています。
なんだか田舎の食卓に座っているようで、なんとも懐かしくほっとする、そんな食堂です。
常連の方に聞くと、森店の肉うどんはたまに食べたくなる味なんだとか。いりこと昆布でとった甘めのだしは、創業当初から変わらない味。甘辛く煮込んだお肉とタマネギが、甘いだしに深みをプラスします。
他にも、たっぷり野菜にアクセントのこしょうが効いた、あっさりとした中華そばも人気です。
代々受け継いできたうどんだし
もともと森店は約100年前(大正時代)、この店から500mほど南にある永井病院の近くに創業されたそうですが、45年ほど前火災により焼失し、支店であった現在の店舗に移転されたとのこと。
店主・玉井ヨシ子さんは「親族で受け継いできたから、はっきりとは分からないけど、私で5代目か6代目やと思うよ」と歴史の深さを語ります。
森店のうどんだしは、何代にもわたって受け継がれた店の歴史の味がします。
働く人のお昼ごはんを支えるお店
少し前までは丼ものやチキンライス、蝿帳にはとりどりのおかずが並んでいました。しかし、現在は麺類とカレーライスに、いなりずしとシンプル。
玉井さんが一人で調理しているため、「親戚が手伝いに来てくれるとはいえ、一人で調理となると大変。麺類なら、調理に時間がかからないからお客様を待たせないでできるかなって」と、麺類中心のメニューに変更されました。
現在、玉井さんの体調に合わせた営業日の設定になっています。営業時間もお昼時のみとなりましたが、お客様のために頑張ってお店を開けています。
長年、近隣で働く人やご近所さんのお昼ごはんを支えてきた森店。値段も手ごろで、みんなに愛される「お母さんの味」を、これからも提供してもらえるよう応援していきます。
住所 | 伊予市米湊803-29 |
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お問い合わせ | 089-982-0415 |
料金 | かけうどん 290円/肉うどん 500円/鍋焼きうどん 430円 中華そば 480円/カレーライス 550円 他 ※全て税込・価格は令和3年8月現在のもの |
営業時間 | 10:00~14:00 |
定休日 | 不定休 ※営業日は、店頭に貼ってあるカレンダーをチェックしてください |
駐車場 | 4台(無料) |