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長泉寺

将猛、後藤又兵衛を弔う長泉寺

きれいに手入れされた山門前には、色とりどりの花々とともに、ひときわ目立つ観世音菩薩像が立っています。ここ真言宗智山派、京都智積院の末寺である長泉寺は、あることで有名なお寺です。

それは、戦国時代に大坂冬の陣で名を馳せた後藤又兵衛基次公の菩提所のひとつであること。美しく剪定された庭木に囲まれた、こじんまりとした境内の本堂横に、供養塔が建てられています。

逆境にあらがう反骨のヒーロー

後藤又兵衛は播磨の生まれ、天才軍師・黒田官兵衛を養父に薫陶を受け育ちます。しかし、伯父・藤岡九兵衛による黒田官兵衛への謀反のため一族追放処分を受けたり、官兵衛の息子・黒田長政との長年の確執で行き場を失います。

最終的に大阪に身を寄せた又兵衛は、以前から受けていた恩を返すように大坂の陣で劣勢だった豊臣方につきます。冬の陣では佐竹義宣の軍勢を破るなど功績を上げていた又兵衛。しかし、慶長20年(1615年)再び火ぶたを切った夏の陣の道明寺の戦いで、その生涯を終えます。


伝承では、又兵衛は敵に己の首を取られることを嫌い、介錯を従者吉村武右衛門に頼みます。彼は首を一旦は田んぼに隠し、ほとぼりが冷めた頃に掘り返して又兵衛の陣羽織に包み、又兵衛の伯父・藤岡九兵衛が住職を務めていたこの長泉寺の近くの民家にて手厚く葬ったと言われています。

イケメンの又兵衛石像に会いに来て

境内には又兵衛の供養塔が建てられ、毎年法要が行われています。また、平成27年(2015年)には400年祭を記念した石像が造られました。

六尺を超える体躯と槍の名手であった又兵衛。石像は、本堂に掛けられている肖像画をモデルに造られていますが、もともと彫の深い顔立ちに描かれていたのでかなりのイケメンに仕上がっています。

 

 

他にも、境内奥にある、市指定文化財の石造層塔は文永2年(1265年)建立のもので、薬研彫り(やげんぼり:石碑や墓碑などに金石文を刻む際、断面がV字になるように彫ること)や、胎蔵界大日如来の種子梵字(ア)を蓮華座の上に刻むなど、鎌倉時代の技法を表した貴重なものです。

住所 伊予市宮下1563
お問い合わせ 089-982-1843
営業時間 参拝自由
駐車場 5台(無料)

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