称名寺 - 伊予市色々|愛媛県伊予市観光協会 MENU CLOSE

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スポット情報

称名寺

見事な枯山水の境内は静謐な世界

谷上山の北面のふもとにある称名寺は、平安時代の初め嘉祥3年(850年)に宗貞によって開基されました。当時は上吾川松本鷹爪にあったとされ、臨江山遍照院称名寺といいましたが、現在は真言宗智山派地積院の末寺です。

文治5年(1189年)に源範頼の菩提のために再建され、伊豫岡八幡神社の別当寺(神仏習合の際に神社を管理するために置かれた寺のこと)として中世のころから伊予郡を代表する大寺院でした。守護(鎌倉・室町時代の各国の警備や治安維持に当たった職務の名称)が定めた掟が書かれた称名寺文書は市指定文化財になっています。

 

称名寺の境内には枯山水の美しい庭が広がっていますが、春になるとソメイヨシノや八重桜の花が美しく咲き誇ります。駐車場を囲む桜の木が満開になると、瀬戸内を見渡せる展望も相まって、絶景のお花見スポットになります。

源範頼を偲んだ漱石の句

称名寺の境内には昭和3年頃に建立された、夏目漱石の2句1基の句碑があります。

「蒲殿のいよいよ悲し枯れ尾花」
「凩や冠者の墓所の落松葉」

明治28年、この地を訪れた漱石が詠んだものですが、蒲冠者源範頼の悲運をあわれむ様がよく表現されています。2句1基の句碑は鎌倉神社にもあり(昭和16年建立)、微妙に違う双方を読み比べてみるのも面白いでしょう。

他にも、境内には子規の句碑「夕栄の五色が濱をかすみけり」があります。

 

 

本堂の右側に水琴窟があります。約200年前に造られた伏瓶洞水門(今でいう水琴窟)を平成元年2月に再現構築したものです。埋蔵型水琴窟なので、壺に落ちる水滴の音はひそかで、竹筒に耳を当てて音色を楽しみます。

住職は、「幽玄縹渺、静動一元のこの微かな妙音は、心で聴き、心で応える―天霊地気ーそのものというべき」とし、自然の心、造化の妙を感じることで豊かな人生を送ってもらおうと一般公開しています。

風雅な寺庭の片隅、凛とした静寂の中で、水滴が奏でる音に耳を傾けるのもおつなものです。

ミニ四国八十八カ所霊場でお遍路気分を味わおう

称名寺の奥山に、ミニ四国八十八カ所霊場があります。四国遍路は四国内にある弘法大師空海ゆかりの八十八の札所を巡るもので、全行程1,400km、歩いて巡ると約40日もかかってしまいます。そこで、日数をかけて札所を巡ることができない人のために、短時間で四国遍路ができるようにと、全国各地にミニ遍路が造られました。

称名寺のミニ四国八十八カ所霊場は、もともと明治時代に造られたものですが、松山自動車道の敷設工事のため、現在の場所へと移設されました。1番から4番札所は境内地に設置されていますが、5番札所以降は境内左の側道を登り、松山自動車道の下をくぐるトンネルを越えた先にあります。

大きく開けた広場をぐるりと見渡すと、石仏が規則正しく並んでいて、その正面奥には大きな弘法大師空海の石像が見守るように立っています。

石仏の列は山肌にも続いてます。ひとつの札所に石仏が二つあるのは、各札所の本尊と弘法大師が一対で祀られているからです。

「お参りする時は、必ず本尊と大師の両方をしっかり参ってください」とは、住職のお言葉。1番から順番に、ひとつの札所につき2回お参りしても、約1時間程度で結願(八十八カ所霊場を巡り終えること)します。

やわらかな木漏れ日に凛と澄んだ空気が心地いい空間で、ただ黙々と石仏をお参りしていると、日々の悩みや迷いがすぅっと晴れていくような気分になります。

四国遍路のもととなったのは、若き空海が辿った修行の道。お手軽ですが、ミニ四国八十八カ所霊場でも十分に自分を見つめ直すいい機会になるかもしれませんね。

住所 伊予市上吾川1418
お問い合わせ 089-982-1710
営業時間 参拝自由
駐車場 15台(無料)
サイトURL https://www.syomyoji-iyo.net/

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