浄光寺
格天井に描かれた見事な203枚の絵画
JR中山駅から住宅街に入った、一段高い場所に浄光寺があります。寿永2年(1183年)寺の成(現在の高岡地区)に創建された豊国山寿永寺が、長曾我部軍の四国攻めの際に焼失したため移設され、寛永元年(1624年)、紫雲山浄光寺としてこの地に再建されました。
本堂の天井は、最も格式の高い様式といわれる格天井(ゴウテンジョウ:釘は使わずに角材を格子に組み板を張った天井のこと)になっています。天板一枚一枚に、花鳥画や俳句が描かれています(天板は全部で204枚、その内の203枚に絵、99枚に俳句)。絵師が誰なのか調べようと、天板の裏を全て調べましたが署名などはなく、円山鷹擧の流れをくむ絵師ではないかと推察されています。俳句は多くが江戸末期の俳人のものです。
また、一枚の板から掘り出した欄間の彫刻も彩色されていて、仏間の印象を華やかなものにしています。
俳句が盛んだった中山町ならではの芭蕉塚
浄光寺裏の小高い所に、享和の頃(1801年~1803年)に松尾芭蕉没後100年祭が久万町大宝寺で行われた際に、大宝寺住職が書いた文字を持ち帰った俳句愛好家奥島伝三郎が、その文字を石に彫って建立したと伝えられる「芭蕉塚」があります。
芭蕉塚と並んで立つ句碑は、中山町に閑居し寺子屋を開いた大洲藩士田辺文里の句です。田辺文里は芭蕉の研究者としても有名で、享和3年(1803年)に出された伊予全体の俳人の句が集められている「俳諧友千鳥」に、中山社中10名の筆頭として名が残されています。
樹齢500年のイヌマキの木
山門をくぐると、右側にイヌマキの巨木があります。現在は、近隣住民への配慮のため枝を落とされていますが、落とされた枝の節々から緑の新芽が顔を出し、健在ぶりをアピールしています。
推定樹齢500年、幹周は3.5m、市の天然記念物に指定されています。大洲街道を見下ろすこの地で、中山の歴史とともにあった銘木です。
住所 | 伊予市中山町中山丑103 |
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お問い合わせ | 089-994-5852(伊予市観光協会) |
料金 | 無料 ※本堂内の見学は観光ボランティアガイドにお申し込みください (ガイド料1人100円) |
営業時間 | 参拝自由 ※観光ボランティアガイド利用時間 午前 9:00~12:00/午後 13:00~16:00 |
定休日 | 無休 ※観光ボランティアガイドは年末年始(12月29日~1月4日)はお休みです |
駐車場 | 無し |
その他 | ※本堂内の見学には、お申し込みが必要です ※お申し込みは個人2名以上、団体20名(ガイド1名に対し)まで ※事前予約は7日前まで(ただし、当日の申し込みについても可能であれば対応します) |